健康メモ(2021.3月・4月号)

鼻呼吸と口呼吸

 

新型コロナウイルス感染症の流行が拡大し始めてから、マスクの着用が日常化しています。マスクは、ウイルスの拡散を抑える効果と吸い込むウイルス量を減らす効果の両方があると言われています。そのため、感染症予防にはとても大事です。

しかし、マスクの着用により息苦しく感じて、知らず知らずのうちにたくさん空気の取り込める口呼吸になってしまっていることがあります。

口呼吸、汚れたままの空気が加温・加湿されることなく気道を通って肺に直接送られるため、感染症にかかりやすくなってしまいます。また、のどの乾燥や唾液の分泌減少、睡眠障害など、悪影響が多岐にわたります。その弊害はメンタルにも及び、浅く早くなりがちな口呼吸は自律神経のバランスが乱れやすくなります

 それに比べ、鼻は天然のマスクとも言われており、鼻呼吸について考えてみると…

・冷たい空気を温める (空気が鼻を通ることで体温近い温度まで温められます)

・乾いた空気を加湿する (口や喉の乾燥を防ぎます)

・細菌の侵入を防止 (鼻毛や粘液層がフィルターの役目を果たします)

・顔のたるみを防止 (口呼吸だと口周りの筋肉が緩んだり衰えやすくなります)

・ストレスを緩和 (自然ととゆっくりした呼吸になります)

このようにメリットがたくさんあり、鼻呼吸の素晴らしさに改めて気付きます。

また、鼻呼吸血管にも良い影響があることがわかっています。鼻呼吸をすると、一酸化炭素(NO)が鼻から肺へ多く送り込まれます。それにより、肺の血管が太くなり酸素の取り込みが増えます。一酸化窒素(NO)は、血管を柔らかく広げ、血流をスムーズにする働きがあり、動脈硬化の進行を抑えます

今後もまだまだマスクの手放せない生活が続くと思われますが、マスクで口呼吸になりがちなことには注意が必要です。忙しい時やストレスを感じている時は特に意識して鼻呼吸を行うようにして、心と体をケアしていきましょう。

 

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